この度、弊社代表の岩口が、「全国賃貸住宅新聞」の連載を務めることとなりました。
これも、日頃よりニコムとお付合いいただき、また格別のお引立てをしてくださる皆様のおかげです。
この場をお借りいたしまして、厚く御礼申し上げます。
さて、今回掲載されることとなりました第1回の記事ですが、是非ご覧下さい。
(2009年10月5日 No.894)
「高齢者住宅の事例に見る成功のポイント」
成功事例に学ぶ <1>高齢者住宅の現状と課題
最近、高齢者住宅の建設が非常に盛んになってきている。特に規制の少ない高齢者専用賃貸住宅(高専賃)の建設の伸びは急激なものがあり、事業主体として民間でもやれるという事で一般のアパート建設から、これからは高齢者の増加により市場の拡大は明らかであるとの考えで簡単に高専賃の建設を行うケースも増えてきている。
しかし誰でも出来るという事はそれだけ競争も激しく、空室もできやすいと考えられる。実際、多くの失敗例が見受けられる。他者よりも早く建てたほうが有利だと考え、あわてて建ててしまって入居が進まず大変苦労している高専賃も増えている。
そこで失敗をしないために、まず基本的な高齢者住宅の種類や高齢者を取り巻く市場はどうなっているのか、またどんな高齢者住宅が成功しているのか、どんなサービスが必要なのかを事例を見ながら説明をしていきたいと思います。
高齢者住宅の種類は別表の様に十四種類に分かれ、さらに2006年の改正により、地域密着型の小規模なものも増えてきた。
また管轄官庁も特別養護老人ホームや有料老人ホームのように高齢者福祉政策を基本にして推進している厚生労働省、高齢者向け優良賃貸住宅や高齢者専用賃貸住宅のように高齢者の住宅政策を基本にして推進している国土交通省があり、建てるのに認可が必要なものや届け出だけでよいものもある。
また事業主体も社会福祉法人、医療法人、NPO、そして株式会社や有限会社、個人といった民間事業者が建てているものもあり様々です。
さらに高齢者を取り巻く市場を考えてみると、高齢者の人口は65歳以上が2009年9月15日時点には全人口の22.7%で約2,898万人であったが、2040年には37%で約3,800万人になってくると予想されている。また高齢者の考え方も団塊の世代以降、高学歴化も進み自分の老後の生き方も自分でデザインする様になってきた。住居についても子供に負担をかけたくないという思いから、子供とは一緒に住まないと考えることにより単身世帯が増えてくることは色々ななデータからも出ている。ちなみに2009年9月15日現在でも単身世帯は414万世帯を数える。
しかしこれを受け入れる高齢者住宅はまだまだ不足している。
医療業界では病床削減傾向
次に介護の必要な人で特別養護老人ホームに入所を希望しながら待機している人の数は約45万人とも言われている。この人たちは在宅で一日も早い入所を希望してるが、施設の数が足りない状態が続いている。そこで介護付き有料老人ホームへの入所が進み、たくさんの有料老人ホームができたが、2006年からの総量規制により建設が制限された。この総量制限により規制のない住宅型有料老人ホームや高専賃が受け皿となり多くの建設がされる様になった。
次に医療業界では厚生労働省が「在院日数の短縮化」「医療療養病床を25万床から22万床とし介護療養病床13万床を全廃」さらに「一般病床も現在の90万床(2006年7月)から将来的には60万床から70万床に」と政策目標を掲げて進めている。ただし、この目標数に関しては民主党政権で変更もありうるが、高齢者の人口も増加し、より長寿になり医療依存度の高い75歳以上の高齢者も増えてくると考えられている中、病床はさらに削減されてくる。
コンセプト別に5種類に分類
この様な高齢者を取り巻く環境の中で成功している高齢者住宅をコンセプト別に分類してみると、
①病床の削減により退院を余儀なくされたが、自宅へ帰ると家族では医療的な対応が心配であるとの理由で入居してくる「医療依存型」
②特別養護老人ホーム等に入りたいが、なかなか入れないとか、もう少し施設よりも住宅的なところで介護を受けたいと考える「介護型」
③脳梗塞やその他リハビリを身近なところでやりたいと考えている人たちの「リハビリ重視型」
④子供達には負担をかけたくないので同居はしないが、医療や緊急の時の対応が出来ている「健康自立型」
⑤そして今は健康で自立しているが、将来、介護が必要になった時の安心のための「複合型」となっている。
これらの実例を5回に分けて詳しく見ていきたいと思う。







今後、益々増加する高齢者と受け入れる施設の問題ですが、受け入れる側が真摯に取り組まなければ、失敗も増えると考えます。
オーナーをはじめ、施設長、スタッフがどのような理念を持ってらっしゃるかにかかってくるのではないでしょうか。
それには、ハード面はもちろんのこと、ソフト面の充実を併せて高めることが必要だと考えます。
今後の連載を楽しみにしております。
2009/10/26 月曜日 @ 9:49:54