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セミナー情報

どうなる!!世界のエネルギー問題

開催日平成20年8月25日(月)
テーマどうなる!!世界のエネルギー問題
果たして、原子力はクリーンエネルギーなのか!?
講師名古屋大学 大学院環境研究科
地球環境科学専攻
准教授  高野 雅夫  先生
場所株式会社ニコム
予定時間18:30 ~ セミナー
19:00 ~ ゼミスタイル「対話会」 20:00 ~ 懇親会
定員30名(先着)
費用セミナー1,000円
懇親会参加者+1,000円
備考前回のセミナー「千年持続可能なエネルギー利用」参照

概要

原油価格の高騰が続き、毎月のように値上げの話題が尽きない日本。
一方でスウェーデン「ストックホルム」のエコタウン、ガソリンスタンドでは、ガソリンの表示はありません。そこには「バイオディーゼルやバイオエタノール」などの表記しか無く販売もしていないのです。

ここ数年でエネルギー問題については益々身近に感じることとなってきましたが、そんな最中、7月7日から9日にかけて34回目のサミットが行われました。
いくつかの主要議題の中で特に注目したい事は「環境・気候変動」分野についてです。ポイントは、

①2050年までに世界全体の排出量50%削減
②セクター別アプローチ
③原子力クリーンエネルギーの推進

ではないでしょうか。一部のメディアでは否定的な伝え方もありましたが、結局のところ日本は、世界はどの方向に向かっていくのでしょうか?
今回のセミナーでは、名古屋大学地球環境科学の高野准教授にサミット内容を咀嚼していただきながら講演いただき、大学のゼミのような少人数の空間の中で日頃の不安や疑問を投げかけてみませんか? 

名古屋大学 大学院環境研究科
地球環境科学専攻  准教授      高野 雅夫  先生 

高野先生HP

プロフィール

1962年山口県に生まれる。
1981年名古屋大学理学部に入学、地球科学で博士号(理学)取得。
1993年に名古屋大学理学部助手。「全地球史解読」という地球史を調べる研究プロジェクトに参加し、「生命と地球の共進化」というコンセプトで地球史をとらえることを学ぶ。その中で46億年の地球史において人類の時代が特異な時代であることに気づく。
1996年理学研究科助教授。
2000年4月発足の名古屋大学大学院環境学研究科設立に参加、同助教授。さまざまな分野の専門家と協働して地下資源が枯渇した千年後でもやっていられるような地球と社会のシステムをつくりだすための「千年持続学」を構想中。また市民のひとりとして行政やNPOと協働して「千年持続型社会」を実現するための活動に参加。

 業績リスト

関連リンク

高野先生HP 「Welcome to Masao’s Homepage

2008年洞爺湖サミット 「北海道洞爺湖サミット

セミナー風景

当日のセミナー風景です!

セミナー風景セミナー風景セミナー風景セミナー風景セミナー風景

セミナー資料

下記サイトからご参照下さい 

1.STOP THE 温暖化 2008  (環境省)

2.洞爺湖サミット:日本外交の目覚め  (だいずせんせいの持続性学入門ブログサイトより)

3.地球温暖化問題とはどういう問題なのか?  (だいずせんせいの持続性学入門ブログサイトより)

4.環境・気候変動(骨子)  (洞爺湖サミット資料より)

5.法定線量以下で労災  (中国新聞記事より)

セミナー内容

 昨年末から年度初めにかけて、どのTV局でも環境問題について特集が組まれていたように思えます。今年がサミット開催年ということも理由の1つであったのではないでしょうか?
ニコムセミナーでも3回目となる環境をテーマにした会ですが、エネルギー問題について着目し迫ってみたいと思います!

 ■ 地球温暖化とは?

 (参考資料:温室効果のメカニズム

 地球は、太陽のエネルギーをもらって暖められています。暖められた地球は、赤外線エネルギーを放出するわけですが、大気があるために放出されたエネルギーの一部が再放射され温度が保たれています。
大気がないと平均気温は-19度になると言われており氷の世界であったとされています。
一般的に大気の温室効果が強くなったことが原因で地球の温度が高くなってしまうことを温暖化と呼んでいます。

簡単に考えると「布団」と同じです。
電気布団を布団の中で使っているのと同じで、かける布団がないと寒く感じます。この布団が、大気で言う水素と二酸化炭素の役割になるわけですね。

さきほどの温室効果が強くなることとは、かけ布団が羽毛布団にかわったようなイメージです。

それでは、どのくらい二酸化炭素濃度が変化しているのでしょうか?
「氷床コアと現代のデータによる二酸化炭素濃度の変化」のグラフを見ると1970年ごろから化石燃料を使い始め急激に増えていることが分かります。グラフの右側縦軸にある「放射強制力」とは布団で例えると厚みを指し、濃度が急激に上がっていることがわかります。

■ どのくらい地球が温暖化になっているのか?

(参考資料:世界平均気温の上昇
(参考資料:大陸別の平均気温の変化
(参考資料:世界平均気温と世界平均海面水位の予測

 1970年から気温が上昇しています。この上昇については、人為的なものであると言われています。
なぜ、人為的なものであると言えるのでしょうか?
温度の変動は以前からあったわけですが、近年そのバランスがなくなったことがまず読み取れます。

参考資料「大陸別の平均気温の変化」を確認してください。その中で、全世界の変動を見ると自然の変化だけではないことが分かります。
この図の黒い線は、実測値になります。
青い線は、自然の要因のみを考慮したシュミレーションによるものです。
赤い線は、人為的に化石燃料などを燃やしていったシュミレーションになります。

こうしてみると、既に始まっている温暖化の状態がわかります!

それでは、日々二酸化炭素を出し続けるとどのようになるのでしょうか?

参考資料「世界平均気温と世界平均海面水位の予測」の1900年~2100年までのSRES(IPCC特別報告書)シナリオをみると、どのシナリオをとっても平均気温の上昇はあがることが予想されます!では、地域別ではどうでしょうか?
A1Bシナリオの世界地図を見ると、全体に赤い地球がわかります。特に陸地が赤く、北に行けばいくほど、上昇していることがわかります。

このことで「北極や南極の氷が溶けてしまい、海水面が上昇する」と聞きますが、南極の氷が溶けることはありません。
南極の年上昇温度は、約3度です。南極の気温は、もともと氷点下40~50の世界ですから解氷すること自体考えられません。

一方、北極付近のグリーンランドやカナダ周辺の氷は溶けて始めることが予測されます。1000年~2000年という月日は掛かりますが・・・・。

 (参考資料:海氷の現象と「絶滅のおそれがある種」ホッキョクグマ

北極圏の海氷です。北極圏の海氷面積が年々減り始め、2024には急激な減少が予想されています。ホッキョクグマは狩を氷の上から行っているため、生活ができなくなっているのです。

では、どのようにすれば良いのでしょうか?

これは、二酸化炭素の排出量を減らすこと以外考えられません!!

■ 世界と日本の排出量の推移

(参考資料:二酸化炭素の告別排出量と国別1人あたり排出量

グラフでは、アメリカ、中国、EU、ロシア、日本と続いていることがわかります。2000年ごろまでは、日本と中国はほぼ同じ排出量でした。しかし、ここ数年で3~4倍にまで膨らんでしまったのです。

この排出量を防ぐ、または現象させない限りは変わらないのです!
現在、この排出量についてはどのように考えられているのでしょうか?

(参考資料:温暖化防止のい鍵を握る京都議定書

日本は、1990年と比較して-6%の削減を目標としています。この規定の年数については、いろいろな議論が起きていますが、現在6%の増加のため目標を達成するためには、12%の削減が必要となっているのです。
こうした背景の中、日本が提案した対策がこれです!

(参考資料:長期的な温暖化対策の必要性

 2050年に向けた世界の排出量50%削減!! 「クールアース50」

このことが今回の洞爺湖サミットで話し合われた議題の1つです。

■ 洞爺湖サミットを終えて

今回の洞爺湖サミットを終えて、では何が合意されたのでしょうか?

(参考資料:環境・気候変動(骨子) 

※この合意されたことへの先生の考えは、以下を参照下さい

(参考資料:洞爺湖サミット:日本外交の目覚め

この中で、原子力を推進することに着目いたします。
果たして、この原子力が温暖化のためということになるのでしょうか?どこか矛盾してはいないでしょうか?

 一般的に地球の資源を活用した活動は次のようになっています! 
循環型イメージ図地下資源から化石燃料などを取り出し、社会の中でものを生産します。例えば、ガソリンであったり、ペットボトルであったりと様々です。次にそれを消費することとなり、結果、二酸化炭素や廃棄物などの汚染原因が地球に戻る形です。
これでは、持続は不可能です。地下資源が枯渇したら・・・、地球への汚染容量が満たされたら・・・・、

その時点で終わります。
京都議定書では、こうした流れの中で、廃棄物のところだけにスポットをあて規制されています。地下資源から物質を取り出せば必ず廃棄物になるにも関わらず、規制しているところは片方だけなのです。
現実、地下資源の規制は難しいです。

ここに基本的な問題があるのではないでしょうか??

先ほどの原子力も同じ構造です。
ウランを取り出し、高レベル放射能廃棄物という危険な廃棄物ができるわけですから

セミスタイルでの質疑応答

 今回のゼミスタイルでは、参加者の方から今日のセミナー内容や普段疑問に感じていることなど質問を多数いただきました。その質問内容に沿って会を進行致しました。

①リスクをどのように評価することが良いのでしょうか?比較するための表など単位が区々で伝わり方が変わってしまう
②高速増殖炉を実用化しない限りとあるが、その可能性や実用化したときには持続性のあるものになるのか
③温暖化といえば、マイナスイメージが先行するが、本当にそうなのか?場所によっては生産力が高まるところもあるのではないか
④電気自動車にすることは本当によいのか
⑤京都議定書の規定による罰則はいくらになるのか
⑥この現状の中で一体何ができるのでしょうか?経営者として、個人として
⑦循環型社会をつくるために現状の太陽エネルギーや風力エネルギー+バイオマス程度で既存のエネルギー生産量に満たされるのでしょうか?

③について
温暖化が目に見えておきているところは、やはり北極圏です。過去現在の9月測定時の氷の張り方を見ても一目瞭然です。シベリアやカナダなど氷の面積が減ってきています。
一方で、北極圏航路と呼ばれるものも最近聞くようになってきました。

 北極圏航路とは、今まで通ることが不可能だった北極を跨ぐ航路が新しくでき、例えばEUと北海道などがとても近くなるイメージです。実際に地球儀を見ると意外に近いことが見て取れますので是非見てみてください。

また、今までは不可能だった農業が可能になる地域もでてきます。
こうした意味では、21世紀後半は、北極海文明ができるのではないでしょうか?

食料についてはどうでしょうか?
一般的に温暖化問題と称されるパンフレットや解説書には、収量変化率は下がるとあるが、農作物の生産量は増えるという表現はありません。
こうしたところも誤解を招く要因になります。

では、北極航路や食料など現在と大きく変化が起きる中で、
温暖化の問題はどこにあるのでしょうか?

常に温暖化が問題であることが前提として書かれているため、問題と捉えられているのではないでしょうか?
問題と考える人が見ると問題に見え、そうでない人が見ると何が問題か見えてこない。

 こうした状況が今、起きているのです。

<高野先生の見解>
温暖化問題は、南北問題である。先進国と開発国の利害衝突にあるのではないか!

④電気自動車
近日、三菱自動車とスバルから「電気自動車」が発売される!

三菱自動車
スバル

燃料費が1/10にもなると言われている。
しかし、本当に電気自動車はエコカーであるのか!?

電気自動車の燃料は、”電気”である。では、その電気は、どこから得ているのであろうか・・・。
深夜電力を使い充電するのであれば、それは原子力発電所からである。昼間であれば、ここ名古屋であれば碧南の火力発電所かもしれない。
つまり、原子力自動車といっても過言ではありません。

と、考えるとけして環境によいとは言い切れない。
ただし、よい面もあります。モーターで動かすため排出するガスが少ないというのも事実なのですから。

②高速増殖炉について
高速増殖炉の話をするには、プルトニウムについてお話しする必要がある。
原子力発電では、ウランを燃やしてエネルギーを作っています。そのウランには、

・ ウラン235 (約0.6%)
・ ウラン238 (約99.4%)

があり、ウラン鉱石にはこれらが混ざり合った状態であります。

しかし、原子炉に入れて燃えるのは、ウラン235のみです。ウラン238は燃えません。
ウラン235のたった0.6%の質量を燃やすことで得ることができるエネルギーは果たしてどのくらいのものでしょうか・・・。

石炭はどうなのでしょうか?
石炭などで得ることができるエネルギーと比較しても効率が悪いものです。
では、なぜ原子力エネルギーに注目されているのでしょうか??

実は、プルトニウムを利用してエネルギーを生産するとウラン235の60倍のエネルギーが生産できます。
235に燃えない238燃やすことで、燃える物質プルトニウムに変わります。

このプルトニウム(Pu)を有効に利用できる原子炉が高速増殖炉と呼ばれるものです。

 高速増殖炉は、世界で実用化されているものはありません。
既にアメリカやフランス、イギリスは撤退しており、日本とロシアのみが研究開発している状況です。

日本では、「もんじゅ」が有名ではないでしょうか?

こうした原子力エネルギーですが、原子炉の廃棄物問題は外すことができません。
例えば、使用済みの燃料はどこに処分するのか?
皆さんは自分の住む町に埋まることを認めることができますか?

⑦千年持続学のイメージ
循環型イメージ図先ほどご説明した循環型モデルですが、地下資源を使わないことが結果、地下廃棄物を作らなくてもよくなることになります。
この状態しか考えれません。しかし、直ぐにできるものではありません。でも、こうした姿を目指すために活動し考えなくてはいけません。

スウェーデンのガソリンスタンドでは、レギュラーやハイオクの表示がすでにないところが半分ほどになりつつあります。そのガソリンスタンドには、

1.バイオディーゼル
2.ディーゼル
3.E85

E85とは、バイオエタノール85%とレギュラー15%の比率のものになります。バイオエタノールは、ナタネ油から作られています。現在、こうしたバイオエタノール問題についても問題視しており、今後は、セルロース系のバイオエタノールを計画しています。

こうした取組みが国全体で進んでいる一方で、日本ではE5の5%の状態ですら進まない状況です。
まずは、需要を作り出しカイゼンしていく政策とはじめから議論しかできない国とどちらか良いのでしょうか?

日本であれば木材を利用したバイオエタノールが有効です。廃材などもエネルギー活用として使います。
こうした取組みをしたときに、年間の木の成長率を最大値として考えると火力発電所で作られるエネルギーの4割を作れる計算になります。

また、現在名古屋大学で研究しているものの1つで、電気を作るためのらせん状の水車があります。おおよそ、20~30Wの電気が作られます。
しかし、こうした電力だけでも生活することは可能なことが体験してみて分かりました。
はじめは、ムリであるという固定概念しかありませんが、身をもって体験することで必要な明るさがわかり、そしてその生活を楽しむこころが生まれてきます。
これからの活動の中でこうした考えが持つことが大切です。

⑥における質問においても、根本的な考え方を変えた取組みが必要です。
30W でも楽しめる生活!
先住民族に考え方を学ぶ

といったように今と全く違うところから学び取り組まなければ変わりません。
やってみて、考えればいいのではないですか!

この講演がその機会になればよいのではないでしょうか・・・・。

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